ソフトバンクはイベント会場で繋がらない?調べてみた
※ 速度データは調査時点のもの。最新情報は各社の公式ページでご確認ください。
調べたこと
ソフトバンクがイベント会場で繋がるかどうかを調べた。公式のイベント対策情報と口コミから傾向を整理している。
イベント全般の比較は「イベント・人混みで繋がらない問題を調べてみた」にまとめている。ここではソフトバンクに絞って深掘りした。
ソフトバンクの速度・体感を調べた記事もある。他キャリアのイベント記事: ドコモ / au。
ソフトバンクのイベント対策
ソフトバンクがイベント時に投入している対策手段を整理した。
5G SA(スタンドアローン)による高密度接続 — 5G SAは端末1台あたりの接続効率が高く、多数の端末が密集するイベント会場に向いている。ただし5G SAエリアはまだ限定的で、会場の端やカバー外に出ると4Gにフォールバックし、途端に遅くなるという報告がある。
移動基地局車+高所作業車のセット展開 — ソフトバンクの特徴的なアプローチとして、高所作業車を使って上空から電波を降らせる方式がある。地上の移動基地局車だけではカバーしきれない広い屋外会場に対応しやすい。花火大会では「花火の見える位置を邪魔しない配慮」も含めた場所選定が行われているとされている。
屋内DAS(分散アンテナシステム)の整備 — 東京ドーム・PayPayドームなどの常設会場にはDASが整備されており、ライブやスポーツ観戦でも比較的安定するという声がある。屋内型イベントではこのインフラの恩恵が大きい。
花火大会では2ヶ月前から現地調査を開始する準備体制 — ソフトバンクは花火大会向けの対策を公式に記事化しており、早い段階から現地の電波環境を調査して設置場所を決定している。準備のリードタイムの長さは3社のなかでも入念な部類。
イベント種別ごとの傾向
花火大会
他社同様、花火のピーク時はソフトバンクでも厳しい。「花火が上がっている間は全滅、休憩時間に復活」というパターンは全キャリア共通の傾向として報告されている。
ソフトバンクは高所作業車を活用して広域カバーを試みているが、来場者数十万人規模の大型花火大会では追いつかないケースもある。地方の山間部で開催される花火大会では、そもそもの4G基地局カバレッジが薄い場合があり、臨時対策だけでは補いきれない印象。
音楽フェス
5G SAエリア内で開催された野外フェスでは「SNS投稿も動画視聴も問題なかった」という声がある一方、カバー外に出ると急激に劣化するという報告もある。5G SAのカバー範囲が会場全体をカバーしているかどうかで体感が大きく変わる。
auがStarlink Wi-Fiによるオフロードという独自手段を持つのに対し、ソフトバンクはモバイル回線の増強で正面から対応する方針。フードエリアなどステージから離れた場所で遅くなるのは、基地局がステージ方向に指向性を持たせている可能性がある。
コミケ(コミックマーケット)
コミケではドコモが2023年以降に集中投資した結果、ビッグサイト周辺で他社を引き離している傾向がある。ソフトバンクは東ホール周辺で「かなり重かった」「ドコモとの差を感じた」という報告がある。
ただしC106以降は改善傾向にあり、テキスト通信(LINEのメッセージ等)は問題ないという声もある。画像・動画の送受信は混雑状況に左右されやすい。
スポーツ(スタジアム・ドーム)
DASが整備された常設会場(東京ドーム・PayPayドーム等)では安定している印象。試合中は問題なく使えるが、ハーフタイムや試合終了直後は全員が一斉にスマホを操作するため重くなるという声がある。これはソフトバンクに限らず全キャリア共通の傾向。
屋内スタジアムはソフトバンクの得意領域で、DAS整備の恩恵が直接出る。屋外スタジアムでは条件が変わるが、J1・プロ野球レベルの常設会場であれば対策されている場合が多い。
年越し・カウントダウン・初詣
年越しの0時台は「あけおめ」メッセージの集中で全キャリアが厳しくなる傾向がある。ソフトバンクも例外ではない。ただし「去年より多少マシになった」という声があり、改善は進んでいる模様。
テキストメッセージは通りやすく、画像送信が詰まるというパターンが多い。明治神宮や川崎大師などメジャーな初詣スポットでは臨時対策が入ることがあるが、対策状況の公開情報はドコモほど多くない。
他社との比較
vs ドコモ
ドコモは2023年のパケ詰まり問題を受けて300億円規模の設備投資を行い、イベント対策にも積極的。2025年度は250件以上のイベント対策を目標に掲げており、公開情報の量でもソフトバンクを上回る。基地局密度の差は特にコミケや大規模花火大会で出やすい傾向がある。
→ ドコモのイベント対策を調べた記事 / ドコモの速度を調べた記事
vs au(KDDI)
auはStarlink Wi-Fiによるオフロードというユニークな武器を持っている。ソフトバンクにはこのような独自アプローチは見られず、移動基地局車+高所作業車という正攻法で対抗している。屋内DASの整備状況はau・ソフトバンクとも進んでおり、ドーム型会場では大きな差は確認できなかった。
→ auのイベント対策を調べた記事 / auの速度を調べた記事
vs 楽天モバイル
楽天モバイルはユーザー数の少なさからイベント時の混雑度が相対的に低い場合がある。ただしこれは基地局の投資厚さではなく需要が少ないことによるもの。基地局インフラの密度ではソフトバンクが圧倒的に上で、楽天のユーザー数が増えれば状況は変わる。
パケ詰まりのメカニズムについては「パケ詰まりが起きやすいキャリア・状況を調べてみた」を参照。
現場でできる対策
キャリア側の対策に頼れない場合に備えて、自分でできることを整理した。詳しくは花火大会の記事にまとめている。
- ・オフライン地図の事前ダウンロード — Google Mapsのオフライン機能で会場周辺を保存しておく
- ・待ち合わせ場所と時刻を事前に決めておく — 電波がない状態での合流はほぼ不可能
- ・テキストメッセージを優先する — 画像・動画が詰まっていてもテキストは通りやすい
- ・デュアルSIMで別キャリアを備える — キャリアごとに混雑は独立しているため、切り替えで改善する場合がある
- ・ソフトバンクWi-Fiスポットの活用 — 対応会場であればソフトバンクのWi-Fiスポットに切り替えることでモバイル回線の混雑を回避できる可能性がある。ただし全会場にあるわけではない
口コミから拾ったもの
価格.com・X(旧Twitter)・個人ブログ・ニュース記事等から。サンプル数が少なく偏りがある可能性あり。
まとめ
- ソフトバンクのイベント対策は5G SA+移動基地局車+高所作業車の組み合わせが軸。屋内DAS(ドーム・アリーナ)の整備にも力を入れており、屋内型イベントではドコモ・auと同等以上の安定感がある
- 屋外の大規模イベント(花火大会・音楽フェス)では、会場内でも場所によって体感差が大きい傾向が見える。基地局の配置や5Gのカバー範囲の端で急に品質が落ちるという報告がある。ドコモの基地局密度と比べると面的なカバレッジで差が出やすい
- コミケではドコモが2023年以降に集中投資した結果、ソフトバンクとの差が開いた印象。ただしソフトバンクもC106以降で改善しており、テキスト通信程度なら問題ないという声もある
- 地方・山間部で開催されるイベントでは、そもそもの基地局カバレッジの問題がある。都市部で有効な5G SAも地方では使えないことが多く、この点では基地局数で勝るドコモに分がある
- auのStarlink Wi-Fiのような独自アプローチは見られないが、高所作業車による上空からのカバーは花火大会の会場レイアウトに合わせやすいという利点がある。2ヶ月前から現地調査を始める準備体制は3社のなかでも入念
- ただしイベント対策の件数や規模感を公式に開示している量はドコモより少なく、どの程度のイベントまで個別対応しているかは不明な部分がある。大型イベントへの対策は確認できるが、中小規模イベントの対応範囲は限定的な可能性がある