オンライン専用プラン3社(ahamo・povo・LINEMO)の速度を比べてみた
※ 速度データは調査時点のもの。最新情報は各社の公式ページでご確認ください。
調べたこと
ahamo(ドコモ)・povo(au)・LINEMO(ソフトバンク)のオンライン専用プラン3社について、通信速度の傾向を調べてみた。
みんなのネット回線速度の集計、速度計測サイト、口コミを突き合わせて整理した。親キャリアとの速度差があるかどうかも確認している。
オンライン専用プランとは
ahamo・povo・LINEMOは、大手MNO3社(ドコモ・au・ソフトバンク)が提供する「オンライン専用プラン」。店舗サポートを省くことで料金を抑えつつ、親キャリアと同じ回線を使う。
MVNOのようにPOI(相互接続点)を経由しないため、構造上は親キャリアと同等の速度が出る仕組み。Y!mobile・UQ mobileなどのサブブランドと同様に、MNOの一部門として扱われる。
「オンライン専用だから速い」「逆に遅い」という話がネット上にあるが、原理的には親キャリアの回線品質がそのまま反映されるはず。実際にどうなのかを調べてみた。
3社の速度傾向をざっくり比較
複数の集計サービスと口コミから、時間帯別の体感をまとめた。
| プラン | 親キャリア | 朝〜午前 | 昼 | 夕〜夜 | 深夜 |
|---|---|---|---|---|---|
| ahamo | ドコモ | 速め | 普通〜速め | 速め | 速め |
| povo | au | 速め | 速め | 速め | 速め |
| LINEMO | ソフトバンク | 速め | 普通〜速め | 普通 | 速め |
※ 集計データと口コミを突き合わせた印象。計測場所・日時・端末で結果は変わる。
ahamo — ドコモ回線のカバレッジと昼帯の混雑
ドコモ回線を使うため、カバレッジの広さは3社中トップ。地方・山間部でも繋がりやすく、「北海道のキャンプ場で他社が圏外でもahamoは使えた」という口コミもある。5Gカバレッジもドコモ同様に広い。
ただし、ドコモ回線は契約者数が約9,200万回線と最多で、都市部の昼帯(12〜13時)に混雑しやすい。ahamoユーザーからも「昼にテザリングが遅い」「新宿のビルで5Mbps程度だった」という声がある。ドコモ本家と比べて「やや遅い」と感じるケースが報告されている。
みんそくの集計傾向では下り65〜85Mbps前後。3社の中では中間的なポジション。上り速度は10Mbps前後で、povoより低い傾向がある。
速度制限時は最大1Mbps。LINEMOのスマホプランと同水準で、SNS・メール・音楽ストリーミング程度なら実用可能。povoの128kbpsとは大きな差がある。
povo — 集計上最速だがトッピング切れに注意
au回線を使い、みんそくの集計では下り90Mbps前後と3社中最速の傾向。昼帯でも100Mbps超の報告があり、「昼12時台に150Mbps出た」という口コミもある。時間帯による速度の波が3社中最も小さい印象。
au回線の「信頼性エクスペリエンス」がOpensignal調査でトップ評価を得ていることの恩恵を受けている。途切れにくさ・一貫した品質ではpovoが3社中で最も安定している可能性がある。
上り速度も17Mbps前後と3社中トップ。ビデオ通話やライブ配信を多用するユーザーにはアドバンテージがある。
注意点はトッピング切れ時の速度制限。データトッピングが切れると128kbpsまで落ちる。ahamo・LINEMOの1Mbps制限とは桁が違い、「テキストメッセージすら厳しい」という声がある。トッピングの管理を忘れると実質使い物にならなくなるリスクがある。
LINEMO — LINE無料と夕方〜夜の混雑傾向
ソフトバンク回線を使い、みんそくの集計では下り25〜75Mbps前後。測定件数が少なくブレが大きいが、価格.comマガジンの2026年3月計測では73Mbps台と高い数値も出ている。
ソフトバンク回線の特性として、夕方〜夜の混雑帯にやや落ちる傾向がある。口コミでも「夕方以降に体感が落ちる」という声がある一方、「深夜は逆にかなり速い」という声も。親キャリアのソフトバンクと同じ傾向がそのまま出ている印象。
LINEアプリのデータ通信が無料(LINEギガフリー)のため、LINE通話・ビデオ通話がデータ消費なしで使える。速度の問題というより「通話品質がデータ残量に左右されない」という安定性がある。
速度制限時は最大1Mbps(スマホプラン)または300kbps(ミニプラン)。スマホプランの1Mbpsならahamo同様に最低限の実用性は維持できる。
親キャリアとの速度差はあるか
原理的にはオンライン専用プランは親キャリアと同一回線であり、速度差はないはず。実際、多くのユーザーが「親キャリアと体感差なし」と報告している。
ただし一部に「差がある」という声も存在する。ahamoユーザーで「ドコモ本家より昼が遅い」という声がいくつか見られ、新宿のオフィスビルでドコモ本家30Mbpsに対しahamo5Mbpsという具体的な報告もあった。
この差の原因は明確ではない。考えられる要因としては:
- 端末や設定の違い(5G設定・APN設定等)
- 計測タイミングの微妙なズレ
- ネットワーク側でのトラフィック管理の違い(公式には否定されているが)
現時点では「構造上は同等だが、環境によっては差を感じるケースがある」というのが実態に近い。大多数のユーザーは差を感じていないが、特定の条件下で差が出る可能性は否定できない。
| プラン | 親キャリアとの速度差 | 口コミの傾向 |
|---|---|---|
| ahamo vs ドコモ | 基本的に同等 | 昼帯に「やや遅い」という声が一部あり |
| povo vs au | ほぼ同等 | 差があるという声は少ない |
| LINEMO vs ソフトバンク | ほぼ同等 | 差があるという声は少ない |
速度制限時の比較
データ容量を使い切った後の速度制限は、3社で大きく異なる。「速度制限後にどこまで使えるか」は日常の体感に直結するポイント。
| プラン | 制限速度 | 制限時にできること |
|---|---|---|
| ahamo | 最大1Mbps | SNS・メール・音楽ストリーミング・SD画質動画は概ね可能 |
| LINEMO(スマホプラン) | 最大1Mbps | ahamoと同水準。LINE通話はギガフリーで制限対象外 |
| LINEMO(ミニプラン) | 最大300kbps | テキスト中心なら可。画像読み込みは遅い |
| povo(トッピングなし) | 最大128kbps | テキストメッセージも遅延する。実質使い物にならない |
povoは通常時の速度が最速である一方、トッピング切れ時は最も厳しい。「速度のピークと底の落差が最大」と言える。常にトッピングを管理できる人向きの設計で、忘れがちな人はahamo・LINEMOの方が安全マージンがある。
MVNOとの構造的な違い
オンライン専用プランの最大の強みは「昼帯に遅くならない」こと。MVNOはPOI(相互接続点)を経由するため昼12〜13時に大幅な速度低下が起きやすいが、ahamo・povo・LINEMOはMNOの一部門として扱われるためこの制約を受けない。
「IIJmioからahamoに変えたら昼の体感が全然違った」「UQ mobileと同等の安定感がある」といった口コミは、この構造差を反映している。料金帯はMVNOに近いが、速度の安定性はMNO寄り。その意味で「いいとこ取り」のポジションにある。
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口コミから拾ったもの
価格.com・X(旧Twitter)・個人ブログ・ニュース記事等から。サンプル数が少なく偏りがある可能性あり。
まとめ
- みんそくの集計傾向では、下り速度はpovo(90Mbps前後)> ahamo(65〜85Mbps前後)> LINEMO(25〜75Mbps前後)の順。ただしLINEMOは測定件数が少なくブレが大きい可能性がある
- 3社とも親キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)と同一回線を使っており、POI制約を受けないためMVNOとは構造が異なる。基本的には親キャリアと同等の速度が出るが、一部のユーザーから「親キャリアよりやや遅い」という声もある
- 昼帯(12〜13時)はpovoが最も安定している傾向。ahamoはドコモ回線のユーザー数の多さから昼に遅くなるケースがあり、LINEMOはソフトバンク回線の夕方〜夜の混雑傾向を引き継いでいる印象
- 速度制限時の挙動が3社で大きく異なる。ahamo・LINEMOは1Mbps(LINEMO最安プランは300kbps)だが、povoは128kbps。トッピング切れ時のpovoは実用が厳しいという声が複数ある
- カバレッジは親キャリアと同一のため、ドコモ回線のahamo=地方・山間部に強い、au回線のpovo=信頼性が高い、ソフトバンク回線のLINEMO=都市部の5Gピーク速度に強い、という親キャリアの特性がそのまま出る
- ただし「オンライン専用プランだから速度が優遇される」という仕組みはない。あくまで親キャリアの回線品質に依存するため、速度だけで3社を比較する意味は限定的。親キャリアの回線特性を見た方が実態に近い