MNO大手4社の速度を比べてみた(ドコモ・au・ソフトバンク・楽天)
※ 速度データは調査時点のもの。最新情報は各社の公式ページでご確認ください。
調べたこと
ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルの大手MNO4社について、通信速度の傾向を調べてみた。
みんなのネット回線速度の集計データ、Opensignal・ICT総研の調査報告、口コミを突き合わせて整理した。料金プランの話はしない。速度と体感だけ。
4社の速度傾向をざっくり比較
複数の集計サービスと口コミから、時間帯別の体感をまとめた。速度の数値ではなく「印象」として整理している。
| キャリア | 朝〜午前 | 昼 12〜13時 | 夕方〜夜 | 深夜 |
|---|---|---|---|---|
| ドコモ | 速め | 速め | 速め | 速め |
| au | 速め | 普通 | 速め | 速め |
| ソフトバンク | 速め | 普通 | 普通 | 速め |
| 楽天モバイル | 普通 | 普通 | 普通 | 速め |
※ 集計データと口コミを突き合わせた印象。計測場所・日時・端末で結果は変わる。
NTTドコモ — 安定感と5Gカバレッジ
Opensignal調査(2025年10月)で「カバレッジ・エクスペリエンス」と「5Gカバレッジ・エクスペリエンス」の両方で1位を獲得。繋がる場所の広さでは4社中トップという評価が定着している。
時間帯別では昼12〜13時の落ち込みが4社中最も小さく、「どの時間帯でも安定している」という口コミが多い。みんそくの集計でも朝・昼・夕・夜を通じて大きな波がない。
一方、5Gのピーク速度ではau・ソフトバンクに劣る傾向がある。ICT総研の2026年1月調査ではドコモの最高値が石川県の257Mbpsで、au福井の326Mbps、ソフトバンク秋田の321Mbpsに差をつけられた。「速度の天井は低いが底が高い」という表現が当てはまる。
2023年のパケ詰まり問題を受けて300億円を投資し基地局増強を実施。コミケ会場での速度がC103(数Mbps)→C107(200Mbps超)と劇的に改善するなど、混雑対策も進んでいる。
au — 信頼性評価トップと衛星通信
Opensignal調査で「信頼性エクスペリエンス」3期連続1位、「一貫した品質」でもトップ評価。速度のピーク値よりも「途切れにくさ」で高い評価を得ている。
ICT総研の5G実測では福井県326Mbpsがキャリア全体のトップ。5Gエリアは都市部を中心に拡大中で、ミリ波(高速だが届く範囲が狭い帯域)の展開でもドコモに次ぐ水準。
昼帯はドコモよりやや落ちるが、MNOとしては十分な水準を維持。口コミでは「ドコモと互角かやや劣る」という評価が多い。夜20〜23時の混雑帯では集計上ドコモとほぼ同水準。
イベント混雑時のStarlink衛星Wi-Fiオフロードは他社にない独自の強み。ROCK IN JAPANでの11基配備、音楽フェス9会場18万人利用の実績がある。キャリア回線が詰まっても衛星Wi-Fiに逃がせるため、大規模イベントでの安定性は4社中最も高い可能性がある。
2022年7月の大規模通信障害(約3,100万回線に影響)の記憶から「信頼性に不安」という声が一部に残るが、その後の改善は調査結果に表れている。
ソフトバンク — 5Gピーク速度と地方の課題
5G SAの展開に力を入れており、ピーク速度では700Mbps超を記録するエリアもある。ICT総研調査でも秋田県321Mbpsと、auに次ぐ高速を記録。「5Gが入る場所では最速クラス」という評価がある。
ただし5Gエリアを外れた場合の落差が大きいという声が目立つ。特に地方・山間部での評価は4社中最も厳しく、「都市部限定の速さ」という口コミが複数見られた。北海道・東北・九州の一部では「自宅周辺が弱い」という声もある。
昼帯はau同水準でドコモよりやや落ちる傾向。夕方〜夜の混雑帯では4社中で最も落ち込みやすい印象がある。みんそくの集計でも夜20〜23時の速度がドコモ・auより低い傾向が見える。
イベント対策では移動基地局車+高所作業車の機動的な展開と5G SAの活用に強みがある。屋内DAS(分散アンテナシステム)の整備も進んでおり、商業施設内での安定性は高い。
楽天モバイル — 上り速度の独走と残る課題
Opensignal調査で「アップロード・スピード・エクスペリエンス」が独走状態。次点のソフトバンクを大差でリードしており、動画配信やビデオ通話を多用するユーザーにとっては見逃せないポイント。
下り速度は他3社に劣る。ICT総研の5G実測では最高値が和歌山県の134Mbpsで、他3社の250〜330Mbps台に大きく差をつけられている。みんそくの集計でも下り平均は4社中最下位の傾向が続いている。
2024年6月のプラチナバンド(700MHz帯)運用開始で屋内・地下の改善が進んでいるが、他3社がプラチナバンドを20年以上運用しているのに対し、楽天は展開初期段階。地下鉄や建物奥での「繋がるようになった」という声と「まだ弱い」という声が混在している。
都市部のオフィス街では昼帯に遅くなるという報告がある一方、郊外では昼でも安定しているという声もあり、ユーザー密度による地域差が他3社より大きい。
パートナーエリア(au回線ローミング)は段階的に縮小中。楽天の自社エリアが広がるにつれ、au回線頼みの地域では体感が変わる可能性がある。
エリアカバレッジの差
速度の「数値」だけでなく「そもそも繋がるか」も重要な比較軸。Opensignal調査ではドコモがカバレッジ・5Gカバレッジともにトップ評価で、特に地方・山間部での繋がりやすさに定評がある。
| シーン | ドコモ | au | ソフトバンク | 楽天 |
|---|---|---|---|---|
| 都市部 | ◎ | ◎ | ◎ | ○ |
| 地方・山間部 | ◎ | ○ | △ | △ |
| 地下鉄・屋内 | ◎ | ○ | ○ | △〜○ |
| イベント混雑 | ○ | ◎ | ○ | △ |
※ ◎=評価が高い傾向 ○=概ね問題なし △=弱いという声が目立つ。口コミと調査報告からの印象。
地方・山間部ではドコモが依然として強い。auも「山間部で強い」という口コミが一定数あり、特に愛知・三重の山間部や北陸での評価が高い。ソフトバンクは都市部から離れると評価が下がりやすく、楽天モバイルはプラチナバンド展開途上のため地方の評価はばらつきが大きい。
地下鉄では東京メトロ・大阪メトロ沿線での評価がどのキャリアも高いが、地方私鉄の地下区間は情報が少なく判断しにくい。楽天モバイルはプラチナバンド運用開始以降「地下で繋がるようになった」という声が増えているが、他3社との差はまだある。
第三者調査から見えること
2025〜2026年の主要な第三者調査をまとめると、4社の得意分野が分かれてきている。
| 評価項目 | トップ評価 | 出典 |
|---|---|---|
| カバレッジ(繋がる場所の広さ) | ドコモ | Opensignal 2025年10月 |
| 5Gカバレッジ | ドコモ | Opensignal 2025年10月 |
| 信頼性(途切れにくさ) | au | Opensignal 2025年10月(3期連続) |
| 一貫した品質 | au | Opensignal 2025年10月 |
| 5Gピーク速度 | au | ICT総研 2026年1月 |
| 上り速度 | 楽天モバイル | Opensignal 2025年10月 |
注目すべきは、どのキャリアも全項目でトップにはなっていないこと。「最速のキャリア」は存在せず、何を重視するかによって評価が変わる構造になっている。
関連する比較記事
口コミから拾ったもの
価格.com・X(旧Twitter)・個人ブログ・ニュース記事等から。サンプル数が少なく偏りがある可能性あり。
まとめ
- Opensignal調査(2025年10月)ではauが「信頼性エクスペリエンス」で3期連続1位、ドコモが「カバレッジ」と「5Gカバレッジ」でトップ。総合力で見るとこの2社が安定しているが、項目によって得意分野が異なる
- 昼帯(12〜13時)の速度維持はドコモが4社中最も安定している傾向。au・ソフトバンクは昼にやや落ちるがMNO水準は維持。楽天モバイルは都市部オフィス街で昼帯の低下が目立つ地域がある
- ICT総研の5G実測調査(2026年1月)では、au福井326Mbps・ソフトバンク秋田321Mbpsが上位で、ドコモ石川257Mbps、楽天和歌山134Mbps。5Gのピーク速度ではau・ソフトバンクが先行しているが、5Gエリアの広さではドコモが優位
- 上り速度では楽天モバイルがOpensignal調査で独走状態。動画配信やビデオ通話を多用するユーザーにとっては見逃せないポイント
- イベント・混雑時の対策はキャリアごとに戦略が異なる。ドコモは300億円投資で基地局増強、auはStarlink衛星Wi-Fiオフロード、ソフトバンクは移動基地局車+5G SA。楽天モバイルはイベント対策の具体策が公表されておらず、混雑時の評判は他3社に劣る
- ただしこれらは集計・口コミから見えた傾向であり、実際の速度は地域・時間帯・端末・建物構造で大きく変わる。同じキャリアでも「東京では速いが地方では遅い」といった地域差がある